占いとシミュレーションゲーム

クーデター勢力に捕らえられたドナンらを救うべく編成された救出部隊と、これを迎え撃つ独立正規軍との戦いを描いたこのシナリオ、プレイバランスはかなり連邦軍有利です。連邦がソルティック４機（うち１機は増援）と歩兵に対し独立正規軍がクラブガンナー４機と、兵力的には互角なのですが、いかんせんパイロットと指揮官が違いすぎます。総指揮官がボイド、中隊長にダークをおいてパイロットもブルームとベリオン、あげくに増援がクリンとくれば、とうてい及びません。これをボンクラ指揮官率いる脚の遅い一般兵のクラブガンナーで突破しろなんてムチャです。連邦軍歩兵が下がって防御に回れば連邦はまず負けません。
エピソード的に連邦軍の目的はドナン救出のための前進ですから、歩兵が逃げて時間稼ぎや防御に回るのは違うような気がしますし、なによりプレイバランスの問題があります。
そこで勝利条件を改定してみました。
「ゲーム終了までに歩兵２ユニットがマップ２のXX10に到達すれば連邦軍の勝利、１ユニットがマップ２のXX10に到達すれば引き分け、ゲーム終了までに歩兵がマップ２のXX10に到達できなければ独立正規軍の勝利」
こうしておけば歩兵はいやでも前進しなければならないので交戦確率が上がり、独立正規軍にも勝ち目があると思います。どうかな？

勢いだけでプレイしまっくっていたのですが、気に入ったものってまず紹介するのが定石なんですね。というわけでいまさらな感もありますが、他の方の真似をしてみて、アイアンコンバット：戦術級ダグラム（ICDG）を紹介してみます。
ICDGはその昔放映されていた所謂リアルロボット物に属するアニメーション、「太陽の牙ダグラム」を戦術級で再現した同人ボードシミュレーションゲームです。１ユニットが１機、パイロット１名、歩兵は１個分隊のスケールで描かれ、主役のコンバットアーマーはもちろんヘリや車両や火砲に至るまで、劇中登場した主な兵器を網羅しています。シナリオは11本ありますが、使用しない兵器やパイロットもユニット化されているため、その気になればオリジナルシナリオも自作可能です。
ベースになっているのは昔雑誌付録になっていたDM版のようで一見違いがないようにみえますが、シークエンスがチット引きによるランダム制となっておりこれに指揮官によるイニシアチブ制がからんで、単調なDM版とはかなり異なる趣をもちます。優秀な指揮官はシークエンスの順番をある程度決めることが出来、さらに優秀な指揮官はランダムな結果を見てからシークエンスに割り込みをかけて操作することができます。ソルティックやヘリなど地味な兵器でも、指揮官次第でダグラムを圧倒することもできます。
攻撃の判定はサイコロとチットの併用ですが複雑な手順はなく一目で結果がわかる仕組みです。DM版にはなかった劇中しばしば描写のあった接近戦のルールもあります。
DM版より複雑ですがゲームに慣れた方であればほとんど問題ないレベルです。ゲームとしては単調な部類に入るかもしれません。ディテールにこだわる方は物足りないかもしれませんが、上記システムから単純なルールによる駆け引きの要素が存在し、ダグラムが好きでDM版を楽しめた方なら楽しめると思います。もともと作品が少数勢力の戦いだったので戦闘規模も小さいことから登場ユニットも少なくルールも簡単なので短時間で楽しめ、ソロプレイも容易です。
興味のある方は是非。