占いとシミュレーションゲーム

10/1に、INBさんとASLシナリオ１「FIGHTING WITHDRAWAL」を対戦しました。”対戦”といっても実際の所は私のレベルがまだ全然なので、ハンデ付きでようやく形にはなるけど勝負となるとまだまだという状況です。
結論から言うと、ハンデ付きフィンランド軍担当（ターン数が１延びる）で完敗でした。でしたが、今まで以上に得るものが大きかったシナリオでした。
フィンランド軍勝利条件は、待ち構えるソ連軍を突破して盤外に出ること。ただしソ連軍も盤外に出て行けて、そのソ連軍以上の戦力を出さなければならないのです。つまり勝利条件が移動と密接に係っていて、ASLの面白さを体感できたシナリオでした。
序盤は予習の成果でそれなりの滑り出し。分隊を分けて探りを入れつつ辛うじて中央突破できました。9-0指揮官が負傷するというアクシデント（のちにFANATIC、血を吹きだしながら後方で部下を鼓舞し続け、前進を始めたところをスナイパーに狙撃されました）もありましたが、ソ連軍の弾薬減少とコミッサールの部下粛清にも助けられ順調に前進し、ひょっとすると勝てるのでは？と思っていました。
それはとんでもない思い上がりでした。戦闘こそ戦力と質の高さに助けられて順調でしたが、実際はINBさんはすでに最終局面を見据えて行動していたのです。中盤に差し掛かるころに東のソ連兵（ほとんど敗残兵）が後退を開始。、「何かある」ことはうっすらわかったのですが、勝利条件に備えた後退なんだなぐらいで、具体的な中身までは気付けませんでした。
終盤墓地を駆け抜けたのですが、結局時間切れ（ゲームターン切れ）、延長ターンでも盤外脱出が不可能となったところで敗北が確定しました。
終了後の感想戦、なぜたどり着けなかったのかINBさんに意見を伺うと、序盤中央突破の際の警戒移動が原因との指摘。なるほど、限られた時間で立ち止まっていたらダメだわなと感心しきりのところ、直後に驚きの一言。
「もっとも、主力がきたらこう動きますがね」
動かしたのは前述の敗残兵たち。てっきり戦力にならないから勝利条件ポイント稼ぎの後退くらいにしか思っていなかったのですが、退却の過程で回復し、行く手を阻むには十分な戦力となって脱出路を封鎖したのです。
ガーーーン！！
たしかに戦力的にはこちらが有利。しかしこんなところに居られたら、たとえ順調に排除したとしても１ターンを要するのです。これじゃあ延長２ターンだとて結果は同じ。
プレイの過程でいろいろドラマ、運不運がありました。そしてそれらはプレイの面白さを彩る要素でした。
ですが、面白さの真骨頂はまさに「移動」にありました。どう動かすか、どう配置するか、綿密な戦術の前には多少の運不運や戦力差など物の数ではなかったのです。
20数年前、私は膨大なルールとこのシナリオ１「FIGHTING WITHDRAWAL」の前に屈しました。しかしASLとこのFIGHTING WITHDRAWALはまさに傑作です。たしかにヘビーなシナリオですが、このシナリオにはASLの面白さの基本が詰まっています。いきなり初心者がこれをプレイするのはどうかと思っていましたが、私は逆に初心者こそこれをやりこむべきと思います。
これをどちらの軍でプレイしても勝負に持っていけたなら、それこそASLの基本の習得だと感じました。
INBさん、貴重なお時間と価値ある敗北をありがとうございました。また一段階、ASLの沼に沈んでいった気がしてます（笑）。