占いとシミュレーションゲーム

私は占いを趣味としておりまして、たまにそれを聞きつけた方から「みてくれ」という依頼があります。しかしなるべく避けるようにしています。その最大の理由は二つ。
自分の鑑定能力の無さと、占術を問わず自分でみるのがいい（＝悩みは自分の中で解決しよう）という考えをもっているからです。
けど、行き詰ってよその意見を聞きたくなることも理解でき無いわけではなく、今回あまり深刻でないこともあって、知人の知人を鑑定することになりました。ちなみにブログアップも了承いただいております。
占術はタロットを用い、占法は13ピラミッドという以前からよく使用しているピラミッドスプレッドの変形を用いました。
依頼内容は簡単に言えば仕事の悩みです。
質問者が努める職場はこの不景気の中世間に比べて恵まれた環境におり、出世こそないものの上司にも可愛がられておりそこそこ仕事をまかされています。職場仲間ともうまくできていて、所属部署はもちろん他部署の人ともコミュニケーションがとれています。
しかしその上司や会社の方針に実は内心不満をもっています。入社当時現場中心だった社風は世代交代で学歴中心の風潮がでて、対等といえた現場と事務方も上下関係がきつくなり、トップも高圧的になっています。現場からも少なからずそうした不満を耳にしており、異動や退職が以前より目立っています。また上司の方も現場の動きに不満を持っているらしく、それを改善しようとするのはいいのですが、ますます高圧的であったり不適切と思われるやり方に傾いているそうです。質問者は、その両方から意見や愚痴をきくのですが、内心その両方に長所短所があり、どちらにも問題があると思っています。ただしどちらかといえば現場よりで、前述のように体制側への不満のほうが強いようです。こうした思いを隠しつつ仕事を続けているわけですが、以前のような明るい雰囲気は望むべくも無く、毎日ズルズル過ごしている状況です。このままこの態度で続けてよいものか、これからの職場についてみてほしいとのことでした。

象徴カード1はソードナイト、象徴カード2は月です。
本人はうまくやっているつもりのようですが、やはり不満は表にでているようです。本人が思うより相手には不満が伝わっている可能性があります。ナイトが振り上げた剣に雷が落ちています。その思いや行動は注意しないと自ら災いを呼びこみます。月はそのまま漠然とした不満や不安を示しています。犬と狼は似て非なるもの。これが向かい合う位置で互いを見つめることなく夜の中遠吠えしています。間の水面はにわかに波立っています。現場と体制側の対立、その間で感じる不安でしょうか。
質問者を表す左の三枚は全てリバース、しかも２枚は大アルカナです。大きなストレスや障害を抱えています。希望が持てず、気持ちや行動のコントロールがきかず、地道にやっていくことができません。しかし裏を返せば、質問者は希望があり、気持ちや感情を上手にコントロールする能力を持ち、こつこつキャリアを積んでいける（またはいけていた）といえます。この障害となっているのが質問者の行動を示す右側三枚です。
その全てがソードであり、しかも２枚はリバースで質問者の苦悩を暗示します。苦悩の中、本音やあるべき道を自ら閉ざそうとしています。
皇帝のリバースが示すように上司は決してよいとは言えません。ソードの10のリバースは自ら剣に身を投じているようにも見えます。皇帝に向いたソードの10はそうした方向を向いてそれに影響され流されることは自ら事態を悪化させることを暗示します。仕事そのものはウィッシュカードが示すように今後も期待できます。しかしそれを活用するにはソードクイーンが示す正しく公正なものの見方、カップのペイジが示す前向きで慈愛に満ちた心や行動で、カップの３が示す人の和が欠かせません。
こうしたことを踏まえ、今のように不満に満ちた今の態度を続ければペンタクルスペイジのリバースが示すように信頼を失ったり成功を自ら逃すことになるでしょう。
それなりの努力やストレスは必要かもしれませんが、ものごとの悪い方ばかりを見ずに前向きな態度で事態に接すれば、必ず事態は好転するでしょう。